印刷機械には、多数モータが組み込まれていますが、その中でも水元・インク元という水や油がかかりやすい部分で当社製モータが使用されています。そのため使用されるモータは、防水・防油構造が必要となります。モータ内に水や油が侵入しない構造にするためには、シールをしっかりすることが重要ですが、それだけでは防げません。それは、モータは運転中発熱しますが、停止したときにモータ内部の暖められた空気が収縮します。この時どうしても外部の液体もモータ内に吸い込んでしまうのです。この熱による空気の膨張・収縮を逃がすために、独自の技術を開発しました。当社の防水・防油型モータの構造は、実用新案を取得しています。

食品工場は、水を使用するためサビが発生しやすい上に、室温が常温からマイナス50℃まで変化するため結露しやすいという過酷な環境です。このため、当社では「ステンレスインダクションモータ」を開発しました。これまでは腐食防止のためモータをステンレス製のカバーで覆う事が必要でしたが、当社のモータは、筐体自体がステンレスなので、カバーは不要となります。筐体表面は鏡面仕上げも可能で、細かな凹凸がなく、雑菌の繁殖を低減できます。また、モータの軸受けに使われるグリスも高性能フードグレード品を採用することで、万一食品に混入した場合でも安全性が確保されます。

自動車の生産ラインにも、当社の特殊モータが使われています。その他、次世代自動車の研究開発にも当社モータが採用されております。２４時間フル操業の工場が多い中では、モータの耐久性が求められます。またネジ締め用ナットランナーやモデル加工機などでは産業ロボットがモータを掴み動き回る状況から、人の目線が先端のモータに注がれるため色や形などのデザイン性の高いモータも要求されます。

新幹線車両の自動ドアにも弊社製モータが採用されています。数々の鉄道車両用試験をクリアーすることで初めて搭載可能となります。
ドアの目前に座席があるため、自動ドアの閉開時の音は静粛性が要求されます。故に生産するモータは、全て騒音試験を実施し、一定の基準を満たした製品のみ出荷されます。

薬品や溶液を攪拌するには、様々な形状の羽根を使用します。そこでモータの軸にコレットチャックを取付け羽根の交換が容易になるように工夫しています。また薬品などを攪拌する際、飛散した液体がモータにかかり故障の原因にも繋がります。そこでモータ内に空気を送り込む「エアパージ」を導入し、モータ内への薬品の侵入を防いでいます。